情報を学ぶ
情報を学ぶ’07 

0.はじめに

目的:情報処理技術の基本的知識を身につける。

内容:コンピュータとその背景にある考え方を学ぶ。そのために必要なキーワードは3つある。

  • 2進数
  • アドレス
  • フローチャート
この3つをしっかりおさえておく。

1)2進数

コンピュータの内部は電圧がかかるか否かの2通りの状態だけでデータを伝達している。
電圧がかかっている・・・1
電圧がかかっていない・・0

2進数は1と0だけで全ての数を表すことが出来る手法である。 たとえば、
○○○○○
は2進数では101個と数える。

2)アドレス

すべてのPC(パソコン)には異なる番号が製造時に付けられている(MACアドレス)。 だからインターネットにつなげたときにメールが間違いなく届けられる。 PCの内部のメモリ、HDD、ディスプレイにいたるまですべてアドレスが付けられていて、データが間違いなくそこに届けられる。

3)フローチャート

はじめ

左手を上げろ

右手を上げろ

左手を下げろ

おわり

命令の手順を上のように図にしたものがフローチャートである。 これをもとにしてプログラムがつくられてコンピュータの複雑な動作が可能になる。


1. 言葉と図と記号としての情報


新聞を開けば市長選があったり、飯島愛が引退したり、と様々な情報であふれている。 情報を読んでいる人間も様々な知識や考え方をもっているし、DNA情報で作られている。 銀行に行けばカードで現金を引き出すことができる。 買い物は現金でなくともカードで可能になった。 その人のもっているとされる財産からカードによってお金や物品が移動する。 実際にお金が移動しているのではなくて、銀行の記帳つまり情報が変化しているだけである。 また愛する人の訃報を聴くと人は悲しむ。 しかし、実際は愛する人は訃報の前に亡くなっている。 人が悲しむのは情報による。

情報とは何か? ということは結構難しい。
「りんご」という文字は記号だと思うこともできる。
りんごの絵をかけばそれは図になる。
かくして言葉と図と記号は関係をもつ。

もっと思考の道具としてこの関係をつきつめてみよう。
「りんご」とは記号であるばかりでなく、意味もある。
果物で食べると甘酸っぱい。
しかし、みかんとは区別される。
りんごの意味はなにか?
ひとつには世の中のりんごを一同に集めて「これがりんごだ」と言えばわかりやすい。
そうだとすると、「りんご」とは「りんご」の集合(集まり)のことである。

たとえば、1以上5以下の整数というものを説明するよりも書いてしまったほうが早い。
{1,2,3,4,5}
これを記号でSとすると、s={1,2,3,4,5}とあらわせる。
さらにこれを図であらわすと、


以上をまとめると、「1以上5以下の整数」という文字(言葉)とsという記号と上の図が対応している。
すべての名詞は言葉であり、記号でかける、また上のように集合として図であらわせる。
「オビワンケノービ」という固有名詞さえもである。

では、名詞句を主語として述語をつけてみよう。
「オビワンケノービはジェダイの騎士である」
o=「オビワンケノービ」が主語で、「ジェダイの騎士である」が述語である。
(慣例により主語が小文字で述語が大文字とする)
ここで問題としたいのは、「オビワンケノービはジェダイの騎士である」の「は」である。
「は」によってこの文はなにを言おうとしているのだろうか。
これも集合の図によって明らかにしたい。J=「ジェダイの騎士」とすると


図からも明らかなように、オビワンケノービはジェダイの騎士の集まりの一員なのである。
これを「要素oは集合Jに属する」と言い換えることができる。
あるいは記号によって、
o∈J
とあらすことにしよう。またしても言葉と記号と図が対応したことになる。
もちろんo∈JをさらにAという記号で代表してもさしつかえない。

「オビワンケノービはジェダイの騎士である」はご存知のように本当のことである。
もし「オビワンケノービは浜松出身である」(H=「浜松出身者」の集合とするとo∈H)といえば嘘である。
このように文になると真であったり偽であったりする。
コンピュータはこれを1と0とで区別する。

文をもっと複雑にしていくこともできる。
o∈Jかつo∈H
すなわち、「オビワンケノービはジェダイの騎士であり」かつ「オビワンケノービは浜松出身である」。
こんな文もありえる。
すると図は下のようになる。


以上のように文は図や記号によって見通しがよくなる。


2. 小テスト


次の文を適当に記号化し、それに対応する図示せよ。

1)梅干はおいしい。
2)おいしいものは食べたいものだ。
3) 梅干は食べたいものだ。
4)1かつ2

図について答えよ

A=「これはりんごである」という文は、P=「これは果物である」という文の適用範囲の中にある。 こんなとき人は、「これはりんごである『ならば』これは果物である」というだろう。 逆に言えば『AならばP』という文はこの図のようになっていて、それに相当する集合もAとPで表せばA⊂Pが対応する。 『ならば』は→であらわされるのでA→PはA⊂Pのことであると言える。 「りんごは果物である」との違いは集合的にはりんごは要素で果物が集合だったのでa∈Fだが、「これはりんごである『ならば』これは果物である」は『ならば』の前後の主張が両方とも集合となっているところ。 「これはりんごである」は、その文が適用される範囲、集合だと考える。 机にむかって「これはりんごである」とはいえないのでそれは集合からはずされる。 結局りんごの集合と内容は同じになっているが作り方が異なっている。
ま、しかし、「これはりんごである」は嘘だっていうこともありえるなぁ。。。

3 図(または記号)から文へ

「これはりんごである」という文は「これは」「りんごで」「ある」ので、
これ∈りんご
と考えて良い。だから「これは果物である」とふつうは結論づけられる。 その背景には「りんごならば果物である」という暗黙の了解が隠されている。

「りんごならば果物である」から
りんご⊂果物
となる。この暗黙の了解もしっかりと書くことでより明らかになる。 集合では∈と⊂の違いは、左が要素か集合の違いだけである。(大差ない) つまり、
これ∈りんご⊂果物
という三段階の包含関係になっていることが重要だ。「これはりんごである」且つ「りんごならば果物である」は次のようにあらわされる。
これ∈りんご ∧ りんご⊂果物
この図を書くと明らかに、「これは果物である」が導かれるだろう。以上の論理を
これ∈りんご ∧ りんご⊂果物 → これ∈果物
とあらわすことができる。 三段階で結論が導かれるので三段論法とよばれることもある。
これ∈りんご ∧ りんご⊂果物 → これ∈果物

 これ∈りんご
 りんご⊂果物
----------------------
 これ∈果物


4 ラーメンをロボットに作らせる

コンピュータのスイッチを入れるとその中でかすかに音がして、しばらくして画像が表れる。 ワープロをクリックすればワープロの窓が開き、ゲームをクリックすればゲームが始まる。 この小さな箱が何故そのようなことを可能にするのだろうか? それに答えるためにインスタントラーメンで説明する。 インスタントラーメンは  @ お湯を沸かす  A ラーメンの麺を入れる  B 何分かしたら(これが条件となる)スープのもとを入れる  C 容器に入れてできあがり  →  →    @から順に指示通りに実行すれば、あなたはおいしいラーメンを食べることができる。  以上の簡単なたとえ話がコンピュータの仕組みを知る上で重要なポイントを指摘している。  命令の手順とその実行がそのポイントである。  コンピュータの内部では  命令の手順はメモリの中に書き込まれており、  実行はCPU(中央処理装置:Central Processing Unit)と対応できる。   簡単にすると、     使い方の書いてある袋 → メモリ     使っているあなた   → CPU          となる。  CPUとメモリは、バス(配線ケーブル)で結ばれており、  メモリ内の1つ1つの命令が、CPUに逐次運ばれて処理される。  この動作の積み重ねがコンピュータのハタラキとなっている。
 問 次の命令を実行した結果を答えよ。   (1)@右手を上げる    A左手を上げる    B右を下げず、左手を下げる    C左手を上げる (2)@Xに1を代入する    AさらにXに1を加えた数をまたXに代入する    BXが100ならDの命令にジャンプする、そうでなければCに進む    CAの命令にジャンプする    Dおわり

5 CPUとメモリ

コンピュータの本体を分解すると一枚の板がある。これはマザーボードと呼ばれ、 この板の上でコンピュータの重要な役割を果たしている。
マザーボード上には、CPU、メモリ、I/Oがある。 メモリは命令(ラーメンの作り方を思う出そう!) を記憶しておく装置、 CPUはその命令を実行する装置。 I/Oはマザーボードの外にある装置(周辺機器) との信号の出入り口である。 (I/O:Input / Output の略、  CPU:Central Processing Unit の略) 3つの装置はバスと呼ばれる信号線で結ばれている。  たとえば、ワープロを実行させるとき、 HDDの中にあるワープロソフトはI/Oを通じて メモリの中にコピーされる。  次にそのソフト(命令の集まり)がCPUに 運ばれて、1つずつ実行される。  その結果ディスプレイにワープロ画面が表示されることになる。 こうした信号は、マザーボード上ではバスを通じて行なわれていて、 1秒間にどれだけの信号を運べるかが、コンピュータの性能の 1つである処理速度を決める。 (これをクロック周波数と言う) メモリもHDD(ハードディスクドライブ)FD(フロッピーディスク)もデータを記憶する装置である。 スイッチを切るとメモリはすべて忘れるが、HDDやFDは記憶を保つ。 スピード = > HDD 記憶容量 = < HDD FDは円盤をしていて円心円(トラック)上にデータを記憶する。 HDDはFDを重ねて円筒形をしている。情報はレコード針から拾われる(レコードやCDと同じ)
 問@1面80トラック、1トラックあたり18セクタ、1セクタあたり512バイトの    フォーマット記憶量は何バイトか?   A命令(プログラム)は実行に先だってメモリに記憶されており、命令が順番に    (    )からバスによって運ばれる。

6 ソフトウェア

 マザーボード、HDD、キーボードなどの機器はハードウェアと呼ばれるのに対し、 その機器を移動するデータや命令はソフトウェアと呼ばれる。コンピュータはハードと ソフトを両輪のようにして動いている。  命令がひとまとまりになったものをプログラムという。ワープロやゲームは、 たくさんのプログラムの集まりアプリケーションソフトである。(ワープロソフト、 ゲームソフトと呼ばれる)ワープロやゲームなどのアプリケーションソフトが実行するとき、 それらのソフトとハードの仲介役のソフトが別に用意されている。
 OSは、ソフトとハードを仲介するソフトなのでソフトの中に属する。  WindowsXPやLinux、UnixなどのOSが商品化されている。  各アプリの共通するプログラム部分をOSとして独立させて共有化、節約化、をしている。
                 メモリ管理 ・・・ メモリ  ─→   ハード(機器の)      タスク管理 ・・・ CPU  ─→                 入出力管理 ・・・ I/O   ─→     管理をしている。  ファイル管理 ・・・ HDD  ─→                      UI   ・・・ ディスプレイ                   
などである。  ソフトを構成するプログラムは、フローチャート(Flow Chart)という図によって 表すことができる。
 人間はコンピュータにしてほしい命令を文にし、フローチャートで表し、プログラムして 機械語に翻訳すればコンピュータは実行する。 問1.次のフローチャートを実行すると何がおこるか。

7 情報量

 コンピュータの内部ではすべてのデータは1と0すなわち電圧がかかった状態と、 かからない状態の2種類だけの信号からなる。たとえば、”A”という文字は0100 0000 とコード化されている。”B”は0100 0010である。”A”も一本の線(ケーブル) によって送信するとき、0100 0010という電圧を  
時間的に変化させて送ればよい。この方式はモールス信号などで使われてきた。 一本のケーブルで一度に送れる信号は、0か1の2種類だが時間をかけることによって 無限の情報量が送れる。  一本のケーブルで一度に送れる情報量を1ビット(Bit)としよう。1ビットの 情報量は0か1の2通りということになる。2本のケーブルでは2ビット、3本では 3ビットである。  それぞれ4通り、8通りの情報量が送れる。
問 4ビットは何通りの情報をもつか     8ビットを1バイト(byte)とする。  1000バイトを1Kバイトとする。 1000Kバイトを1Mバイトとする。 1000(メガ)バイトを1(ギガ)バイトとする。 0と1だけでコード化されているので、2進数と相性が良い。

10進数     2進数     3進数    16進数
  0         0      0      0
  1         1      1      1
  2        10      2      2
  3        11     10      3
  4       100     11      4
  5       101     12      5
  6       110     20      6
  7       111     21      7
  8      1000     22      8
  9      1001    100      9
 10      1010    101      A
 11      1011    102      B
 12      1100    110      C
 13      1101    111      D
 14      1110    112      E
 15      1111    120      F
 16     10000    121     10
 17     10001    122     11
 18     10010    200     12


 ○ n進数にはnという数字がない。
 ○ n進数には( 1)は10、( 2)は100、( 3)は・・・
 ○ n>11のとき新しい数字が必要
コンピュータ内部で 5+3の演算は2進数の101+11として計算され、
   101
  + 11
  ━━━━
  1000    
という答えになる。  

 問 (1)28は2進数では(     )、3進数では(     )、16進数では(     )である。
   (2)1面あたり80トラック、1トラックあたり38セクタ、1セクタあたり512バイトのFDは、       約(     )Mバイトである。


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